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IgA欠損症とは
IgA欠損症はもっとも頻度の高い原発性免疫不全症で、約10,000人に1人の頻度とされています。
血清IgA値が5mg/dL以下で他の免疫グロブリンは正常値。易感染性を呈さない症例もいますが、多くの場合には種々の程度の呼吸器感染、中耳炎、皮膚化膿症などを反復します。成人期には自己免疫疾患の発症が問題になることが多いです。
グロブリン製剤
グロブリン製剤にIgAが少量含まれ、IgA欠損症患者でまれにみられる抗IgA抗体と反応しアナフィラキシーを発症することがあり、注意を要します。
グロブリン製剤以外の血液製剤について
抗IgA抗体を有するIgA欠損症に対する他の輸血製剤の対応は以下の通りです。
- 赤血球、血小板輸血→洗浄して使用
- 新鮮凍結血漿(FFP)→IgA欠損症患者から献血されたものを使用
ただ、実際はIgA欠損症患者から献血されたFFPを準備するのは難しく、アナフィラキシー覚悟で厳重なモニター管理のもとで普通のFFPを投与する症例報告も散見されます。
練習問題
グロブリン補充療法でアナフィラキシーショックを発症する可能性のある疾患を1つ選べ
a. IgA欠損症
b. IgG4欠損症
c. 高IgM症候群
d. 重症複合免疫不全症
e. 分類不能型免疫不全症
答え;a
参考文献
- 大西秀典, 他. IgGサブクラス欠損症およびIgA欠損症. 小児内科. 2015, 47, suppl, 718-721.
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