当サイトでは小児科専門医試験対策だけでなく、キャリアや、ライフハック的な内容も紹介しています。
今回はキャリア編。医師の転職にまつわる話ですね。
テーマは転職なんですが、転職を考えていない方にぜひ読んでほしい内容になっています。ご覧ください。
転職エージェントとは
転職エージェントは医師の転職の仲介をしてくれるサービスのことです。
医師は、転職エージェントに登録して、自分の資格や経歴・勤務条件等を伝えたうえで求人を紹介してもらいます。
採用者側(医療機関側)は広告費を払って求人を出すのではなく、医師が転職を決定した場合に、成果報酬を転職エージェントに支払います。
転職エージェントに登録するメリットとは
私も医局を辞めて転職する時、転職エージェントを利用しました。
転職エージェントに登録して、話を聞いて知ったことは下記の3点。この3点を知ることが転職エージェントを利用することの最大のメリットです。
- 求人一覧、年収の相場
- 需要のある専門医
- 需要のない専門医
順番に説明していきますね。
①求人一覧、年収の相場
相談した時点での求人一覧を見ることができます。
私の時は、聞いたことのないクリニックから、誰もが知る大手医療法人の総合病院まで求人一覧に載っていました。中には、自分の医局の派遣先になっている病院まで一覧にありました。
「大学病院で働きたくない、市中病院にずっといたい。」と話す医局員いませんか?
それ、転職エージェントで一発で解決できます。(笑)
また、求人一覧には年収も記載されています。ここから自分の年収の相場が大体掴めます。
②需要のある専門医
「需要のある専門医資格」がわかります。
私の場合は「小児科専門医」がそれでした。
小児科の転職案件は小児科専門医必須のものばかりです。
小児科専門医取得へのモチベーションが倍増したのと同時に、合格しなければならないとプレッシャーに感じたのを今でも覚えています。
③需要のない専門医
一方、需要のない専門医資格もあります。
小児科の場合、サブスペシャリティ領域。新専門医制度の2階部分ですね。(小児科専門医は1階部分の基本領域)
私は、
小児科専門医資格は今後取れると思うけど、それだけだと転職は厳しいのでは?
サブスペを習得する前に本当に辞めてしまって良いだろうか。
と思っていたので、拍子抜けでしたね。
小児科専門医は必須ですが、サブスペシャリティ領域に関しては求人条件にまったく出てきませんでした。
アレルギー専門医は強いだろうと思っていたのですが、アレルギー専門医に関する記載もほとんどありません。聞かれるのは「アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、気管支喘息の基本的な対応ができるか」、「舌下免疫療法のオンライン資格は取得したか」。アレルギーに関して言えば完全にこれだけです。
また、新生児科の募集もあるだろうと踏んでいたのですが、新生児科の募集は皆無。エージェントに聞くと新生児科の募集はほとんどないとのことでした。現場で人が足りていないというのと、病院が雇いたいというのは別であることをここで知りました。
※サブスペシャリティ領域の専門医資格が無意味という趣旨ではありません。あくまでも転職で不要というだけです。
※私がサブスペシャリティの専門医を持っていないため、そのような求人案件を除外してくれていた可能性があります。ご注意ください。
転職を決心してからで良いのでは?
そんなことはありません。少なくとも私は「早く聞いておけばよかった。」と思いました。
なぜかというと、転職エージェントに登録することは人生の選択肢を増やしてくれるからです。
医局に所属している間は医局内の人間と話すことが多く、「医局の中でどのようなキャリアを築くか」という発想になりがちです。
一方、転職エージェントは医局とは無関係。人材紹介の報酬のみでつながる人間関係なので、医局外の選択肢をバンバン提案してくれます。(報酬ありきの提案をされることもあるので注意は必要。)
私の場合、専門医が取得できなかった場合の転職先として在宅診療や自由診療、産業医なども提案してもらいました。
市場における「自分の経済的価値」がわかるし、医局に存在しない求人案件を提示してくれることでキャリアに新たな選択肢が生まれるんですよね。
これだけ情報が得られるのに、登録しても転職は必須ではなく、利用料は無料です。
つまり、ノーリスク、ハイリターンです。
結婚や出産、自身の大病など、人生の大きなイベントで働き方を変える必要がでた時に、1から探し始めるのと、「そういえば、転職エージェントでこんな求人提案されたことあるな、一回問い合わせてみよう」と思えるのでは気持ちの余裕も違いますよね。
以上より、私は転職エージェントへの登録は転職を決意する前にしておくべき、と考えています。
普段の診療でセカンドライン、サードラインの治療選択肢があるのと同じように、自分のキャリアも医局外でセカンドライン、サードラインの選択肢を知っておくべきです。
最後に
今回、紹介した内容は私が転職活動をした数年前の話をもとに記載しています。すでに情報が古い可能性があること、また、同じ日本でも地域によって転職の求人状況が変わることに注意してください。
また、転職エージェントは当時の私のためだけに求人案件を揃えてくれています。人それぞれ事情が異なるため、提案してくれる求人一覧は医師ごとに内容が異なることでしょう。
私が利用した転職エージェントはメディカルプリンシプル社の民間医局でした。私の場合は民間医局を通じて実際に転職していますが、話を聞いたからと言って、転職は必須ではありません。
私は転職後も定期的に民間医局の転職エージェントと面談をして、現在の職場と比較するようにしています。その後転職はしていませんが、まったく問題ありません。オンライン面談も対応してくれます。
ぜひ、一度登録して話を聞いてみてください。
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