薬物療法、カテーテル治療、手術の発展により長期予後が改善し、先天性心疾患の長期予後は確実に改善してきています。先天性心疾患を有するこどもが大人となり、妊娠、出産を希望する例も増えてきています。
今回は先天性心疾患を有する女性の妊娠、出産についてご紹介します。
心疾患患者の妊娠・出産の適応、管理に関するガイドライン(2018年改訂版)
心疾患患者の妊娠・出産の適応、管理に関するガイドライン(2018年改訂版)に記載があります。妊娠の際に厳重な注意を要する、あるいは妊娠を避けることが強く望まれる心疾患は下記の通りです。
妊娠の際に厳重な注意を要する、あるいは妊娠を避けることが強く望まれる心疾患
・肺高血圧症(Eisenmenger症候群)
・流出路狭窄(大動脈弁高度狭窄平均圧 > 40~50mmHg)
・心不全(NYHA心機能分類Ⅲ~Ⅳ度、LVEF < 35~40%)
・Marfan症候群(上行大動脈拡張期径 > 40mm)
・機械弁
・チアノーゼ性心疾患(SpO2 < 85%)
練習問題
先天性心疾患を有する成人期女性において、妊娠、出産を許可できるものを選べ。
a. 肺高血圧症
b. Fontan術後
c. Fallot四徴症の心内修復術後
d. 大動脈径50mm以上のMarfan症候群
e. 大動脈狭窄症に対して機械弁置換術後
答え:c
Fallot四徴症は「修復されている場合の多くは、妊娠・出産が可能である」と上記ガイドラインに記載があります。
参考文献
日本循環器学会, 日本産婦人科学会. “心疾患患者の妊娠・出産の適応、管理に関するガイドライン(2018年改訂版)”. 一般社団法人日本循環器学会. 2019-04-10. https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2020/02/JCS2018_akagi_ikeda.pdf, (2023-07-18).
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