新生児の分娩外傷は色々ありますが、今回は腕神経叢麻痺についてご紹介します。
目次
分類
上位型(Erb麻痺)・・・C5〜C7が損傷。Moro反射❌、把握反射⭕️
下位型(Klumpke麻痺)・・・C7〜Th1が損傷。Moro反射⭕️、把握反射❌
全型・・・C5〜Th1が損傷。Moro反射❌、把握反射❌(上肢全体の動きがない。弛緩性麻痺)
上位型は予後良好、下位型、全型は予後不良です。
出生時から下位型として受傷することは非常に稀。多くは全型麻痺として発症して上位型麻痺が改善して最終的に下位型麻痺となったものです。
横隔神経麻痺
上位型(Erb麻痺)で発症しやすいです。
練習問題
4000gで出生した新生児。Moro反射は左右差があるが、把握反射に左右差はない。この児に合併しやすいものを1つ選べ。
a. Horner徴候
b. 顔面神経麻痺
c. 横隔神経麻痺
d. 橈骨神経麻痺
e. 脊髄損傷
答え:c
参考文献
- 鳥羽清治. 小児整形外科テキスト. 第2版, 株式会社メジカルビュー社, 2016, 381.
- 山口美穂子. 分娩外傷. 小児科診療. 2023, 86, suppl, 904-905
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